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ああ、そんなこといわないで、とはいうものの、これがまったく本文とは関係のない題名なのはいいのだろうか
ああ、そんなこといわないで、とはいうものの、これがまったく本文とは関係のない題名なのはいいのだろうか


 六月号用の原稿。
 しかし、あまりに内輪ネタすぎるので下しました。
 何にも載らない可哀そうな子です。
 あるいは、ヴァレンシュが一部で人気があったので、書いたのかもしれません。


以下本文です。
ああ、そんなこといわないで、とはいうものの、これがまったく本文とは関係のない題名なのはいいのだろうか
理之貫
 ↑こんなこと書いていいのか
 ↑なんてこと書いてもいいのか
 いやいや、よくありませんって

※※※
 とりあえず、理之貫(りのつらぬき)氏の頭の中で会議が行われていた。
 その名も、『次回作出演決定会』。
 どうやら、次の作品に出る登場人物をリアルタイムで(つまり、今)決めているようである。
 まず、髪の長い青年が手を挙げて発言した。
「二〇ページという長さを鑑みると、やはり、ここは僕が出演すべきでしょう」
 よく通る声だ。彼は言い終わると、すっと身を引くように押し黙る。彼の席には『磨葉理屈通し(するは りくつどおし)』というプレートが置かれている。彼の名前だった。
「そこですっ!」
 と今度は向かいの席に座っている女学生が意気込んで発言した。ショートヘアに映える髪飾り。プレートは『神水流香夏子(かみずる かなこ)』とある。
「アナタの作品、ちぃっとも二〇ページじゃないじゃないですかっ!」
 と言って、彼女は資料を片手に述べる。作品は二〇ページ前後でないといけないという掟があるのだ。
「今まで六作品中、二〇ページ以内の作品は、二〇〇七年の『マーメイドメイド』と二〇〇八年の『ともあれ、あいうえお順なら理論も整然。掃除記のこと』だけです。残りの四作品は優に二〇ページ越えですっ」
「異義あり」
というのは磨葉の隣の少女だった。プレートには『莨谷めがみ』と書かれている。
「一応、クリスマス号の『真っ赤な軌跡』もうちの管轄です」
「とすると」と磨葉は言う。「七作品中、二〇越えは四作品。さして、問題があるようには思えない」
「大アリだね」
 別の所から声が上がる。明るい髪の女だった。背が低く、酷く他人を馬鹿にした目で睨んでいる。めいっぱい椅子に浅く座っている。態度が大きい。
「半分以上じゃないかっ! この腑抜け。『ふ』が抜け過ぎて、もうお前はプラスの値そのまんまだな。これから数直線に載る時は右の方にいろよ、ばかもの」
 そう言って、プレートをどかどかと机に叩きつける。さっきからオモチャにしているようだ。本人は裁判官のつもりでガンガンいわせているのだが、当然、裁判官はこんなことしないうえ、こんな座り方もしないし、こんなことも言わない。
 そのプレートには『十姉妹椛(じゅうしまつ もみじ)』とあった。
「あの、椛先輩」と磨葉。「一応、こっちのシリーズなんですから、否定しないでください」
「いいんだよー」
 と言って、彼女は机にもたれかかる。片手で腕枕をして、もう片方の手でプレートを弄ぶ。
「いいの。アタシがヒマならそれでよし。世界は平和だ、わっしょい。作品には一切出ない。これが黒幕というものだよ、ジョン・ヘイミッシュ・ワトソン君」
「そういうのをニートって言うんですね」
「違うね。黒幕とニートの違いは字画ならぬ自覚だ。黒幕は自分を黒幕だと思う。ニートは自分がニートであることすら気づかない」
 彼女は自分のことをニートと思っていないようだから、どうやらニートであるらしかった。
「ちょっとぉ、」
とやんわりと言うのは『鹿子目紫里香(かのこめ しりか)』というプレートの持ち主だ。
「話をそらさないでくれる? とにかく、半分以上二〇ページルールを守ってないんじゃダメでしょう?」
 彼女は神水流と一緒のシリーズなのだ。この戦いは、ひとえにシリーズ別バトルなのである。
「とはいうものの」磨葉は反論する。「貴女方の作品は唯一無二の『立方体売り場』これ一つ。しかし、その長さは知る人ぞ知る二十四ページだ」
「でも、アレは二〇ページルールのない発行物でしょ? 問題ないわ」
「いいや、大アリだね」
 というのは、やはり十姉妹椛だった。似たようなセリフを言って楽しんでいるようだ。
「つまり、アレなんだよ。この作者は二〇ページルールを守れない。つまり、次回作はないっていうことだ」
「なんですって! なんと身も蓋もないことを!」
「そこで、私たちですよっ!」
 と新たな声が響く。
 『和美ケ原十六硝子(かずみがはら じゅうろくれんず)』というプレートがきらりと光る。
「私が出たのは『亜鉛畑でつかまえて』と『月の静かな晩に』のその二つっ! ふふん、どちらも一〇ページ以内ね。どー、これ完璧でしょー?」
「いや、ダメでしょう」と磨葉。
「えぇー、何がダメなのよぉー?」
「だって、名前──」
「あ、それを言う? アンタらだってメチャクチャじゃない。理屈通しってどうよ? 名前じゃないじゃんかっ!」
「また議論が脱線しているようですね」
 とまたしても別の声ところからがする。
 ピアノの発表会のようにビシッとした服装の少女だった。シンメトリーともいえる姿勢の正しさで座っている。無機質な表情で、口だけが小さく動いている。プレートには『緋水晶紀衣(ひすいしょう きい)』とあった。
「それでは今までにないシリーズというのはどうでしょう?」
「ダメですよ」
 と神水流の隣の女学生が金の縦ロールの髪を揺らしながら言う。可笑しな格好だった。騎士の服とドレスを混ぜたようなちぐはぐな服装だ。顔もどこか日本以外の国のつくりをしている。プレートは『ヴァレンシュ・夕霧』。神水流や鹿子目のシリーズの中心人物だった。
「だって、締切は明日なんですよ」
 がたっ、と椅子がずれる音がした。会場が動揺の空気に包まれる。
「そ、それはホント?」
「本当です。私、嘘を吐いたことがあんまりありません」
「なんてことだ──この会議自体、無駄だったじゃないか」と、会場の中で皆が脱力していく。
「でも、一つだけ救いの方法があります」
 ヴァレンシュはそう言った。
「何? それは何なのっ?」神水流は問う。
「この会議の記録を作品に出すのです。皆さん出られて万事解決です」
「だ、ダメよっ。それは絶ッ対にやっちゃいけないことよ!」
 やっちゃいけないことです。
 本当にそう思います。


【END】 
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【2008/05/28 10:37】 | シリーズ共演 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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